伝わりやすい文章構成とビジネスで使える構成各5つ・書くためのポイント4つを解説
わかりやすい文章を書くためには、構成が大切です。しかし、頭でわかっていても、どうすればわかりやすい文章を書けるかを知らなければ話にならないでしょう。
実際、文章構成や伝わりにくさにまつわる悩みを持っている人は多くいます。
そこでこの記事では、文章構成の基本パターンとビジネスで使える構成を各5つ、書くためのポイント4つについて説明します。
文章の構成で悩んでいる人は、参考にしてみてください。
目次
そもそも文章構成とは
文章構成とは、文章を成り立たせるために必要な要素の組み合わせのことです。
「章・節・項」や「要点・本論・結論」などが、これにあたります。
学生であれば論文・レポート、就活中の学生や転職活動中の方であれば志望動機、ビジネスパーソンであればプレゼン・メール、その他にもブログ・小説・物語・スピーチなど、日常生活の中でも文章を書く機会は思いのほか多いでしょう。
皆さんが「読みやすい」と思う文章は、この構成がしっかりとしています。
それぞれにふさわしい文章構成があるので、うまく使い分けることを意識しましょう。
覚えるべき文章構成の基本5パターン
この章では、覚えておくべき文章構成の基本5パターンについて紹介します。
それぞれの構成パターンがどのような文章に適しているかについても紹介するので、参考にしてください。
三段構成
三段構成とは、その名のとおり3つの要素で構成される文章です。
論理的に説明したい文章で用いられ、このような形に分かれます。
- 序論
- 本論
- 結論
序論では、「どのようなテーマ・キーワードで書くか」など、文章全体の概要を紹介します。読者が何について書かれているかが理解できるようにすることが大切です。
本論では、主張・意見に対して根拠を述べます。裏づけるための具体的な例・論文データ・文献などがあれば、ここで示してください。
結論は、本論で述べたことをまとめる部分です。ここでは、読者が納得できる結論(本論と矛盾しない結論)を書くようにしましょう。
四段構成
四段構成とは、いわゆる「起承転結」と呼ばれる構成です。主に、小説・物語に向いた形式で、漢詩における絶句の構成がその起源と言われています。
本構成におけるパートは、下記のとおりです。
- 起(導入)
- 承(展開)
- 転(変化)
- 結(締めくくり)
「起」は、その前提となる知識・情報など、読んでもらうために必要な内容をまとめている部分です。小説・物語では、「導入」とも呼ばれます。
ここで詳しく書いてしまうと離脱されることもあるので、簡潔に書きましょう。
「承」は、前段であげた知識・情報を詳しく説明する部分です。小説・物語では、「展開」と呼ばれることもあります。
主張につなげていく役割を果たします。
「転」は、「起」と「承」で展開した知識・情報から、伝えたい主張を書く部分です。小説・物語では、「変化」にあたります。
ここまで読み進める人は、その情報などに興味を持っている人です。ここでは、伝えたい内容を盛り込んで書くことを意識してください。
「結」は、その名のとおり結論・まとめを書きます。小説・物語では「締めくくり」にあたる部分です。
これまでに書いてきた内容を、わかりやすい言葉でまとめることをこころがけるといいでしょう。
頭括式の構成
「頭括式」では、冒頭部分に結論を持ってくる形式です。
- 結論
- 説明
- 事実
- 具体例
結論から始まり、その根拠や事実・データなどを書いていきます。
新聞記事や小論文など、短い時間で重要な情報を伝えたい時に最適です。
尾括式の構成
「尾括式」とは、頭括式とは逆で結論を最後に述べる構成です。
- 説明
- 事実
- 具体例
- 結論(まとめ)
結論となる根拠や事実・データなどを伝え、結論で「~だから(なので)~となる」などの形で結びます。
先に説明した四段構成に近い構成です。
双括式の構成
「双括式」とは、頭括式と尾括式を合わせた構成です。
- 結論
- 説明
- 事実
- 具体例
- 結論(まとめ)
最初に結論(主張)を説明し、その後に必要な知識・情報・データなどの詳細を述べ、最後に再度結論(主張)を書きます。
冒頭と最後で結論を書くことで、重要なポイントを強調する効果が出るので、商品説明やデータ紹介記事に最適です。
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ビジネスに役立つ文章構成フレームワーク
ビジネスにおいて話したり書いたりする際も、文章構成がカギを握ります。
「伝える順番(構成)を順序よく組み立てる」ことを意識するだけで、伝えたいことを確実に伝えられるようになるでしょう。
ここでは、ビジネス文書とセールス文章に分けて、読み手に伝わりやすい文章構成(フレームワーク)について書いていきます。
ビジネス文書向き
ここでは、プレゼン・営業などビジネスシーンでよく使われる、2つの構成について説明しましょう。
1.PREP法
最初は、PREP法です。
「ビジネスの基本」として聞いたことのある方も多いでしょう。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例・実例)
- Point(結論)
それぞれの単語の頭文字を取ったもので、2つの「P」は結論、「R」は理由、「E」は具体例という意味です。
もう少しわかりやすく書くと、最初に結論(P)。その後はそうなる理由(R)と具体例(E)を書き、最後はもう一度結論(P)を書きます。
つまり、「理由と具体例・実例」を結論で挟むと考えるとわかりやすいですね。
最初に結論を書くことで、主張がわかりやすくなるとともに無駄なく伝えられます。
わかりやすさが求められるセミナーや社員教育、短時間で伝えることが求められる面接・プレゼンテーションなどに向いている構成です。
2.SDS法
先に説明したPREP法と似ている構成が、SDS法です。
SDS法では、下記のような順番で書いていきます。
- Summary(要点)
- Details(詳細)
- Summary(要点)
最初に、全体の要点を簡潔に述べ、次に詳細。その後に再び要点を伝える構成です。
こちらは、「詳細」を「要点」でサンドするようなイメージで考えるといいでしょう。
こちらは、読みやすい(記憶に残りやすい)構成なので、事実などをわかりやすく伝えることが求められる、プレゼン・営業、レポートなどに向いています。
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セールス文章向き
セールス文章とは、文字どおり「商品を売る」ための文章です。
わかりやすく書くと、下記の要素が求められます。
- 消費者が持つ不安の解消
- 買う理由を示す
- 購入を後押しする
もちろん、セールス文章にも構成があります。
ここでは、3つに分けて紹介していきましょう。
3.QUESTの法則
QUEST(クエスト)とは、セールスコピーライターのマイケル・フォーティン氏が自らのブログで提唱した、セールス文章の構成です。
- Qualify(絞り込み・宣言)
- Understand(共感・理解)
- Educate(教育)
- Stimulate(刺激・興奮)
- Transition(行動・変化)
顧客の絞り込みからはじまり、共感・理解を求めます。その後、具体的な説明を行い、購入に向けた動機づけを行って、購入につなげていく手法です。
悩みやニーズはわかっているものの、まだ信頼関係のできていない段階の消費者をターゲティングするところからスタートするので、セールスレターだけでなくランディングページにも活用できます。
4.PASONAの法則
「PASONA(パソナ)の法則」は、経営コンサルタントの神田昌典氏が1991年に自らの著書で提唱したセールス文章の構成です。
セールスライティングの基本的な構成として、言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。
PASONAは、下記単語の頭文字を取っています。
- Problem(問題提起)
- Agitation(共感)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)※入らないこともある
- Narrow down(緊急性・絞り込み)
- Action(行動)
問題提起からスタートして、共感を求め、解決策を提案。
その後、緊急性・限定性を呼びかけ、それに反応した人へ向けて行動を促すという手順です。
明らかに必要性の高い消費者をターゲットとしていることから、より強い表現で伝えられます。
そのため、セールスレター(DMを含む)はもとより、ランディングページ・メルマガで使われることの多い構成です。
5.CREMAの法則
「CREMA(クレマ)の法則」とは、すでに目的・行動が明確になっている消費者に向けたセールス文章の構成です。
- Conclusion(結論)
- Reason(理由)
- Evidence(根拠・証拠)
- Method(方法・手段)
- Action(行動)
先にも書いたとおり、すでに目的・行動が明確な消費者に向け、最初に結論を提示。その後に理由・根拠(証拠)を示し、解決方法・手段を出すことで行動を促します。
ビジネス文書の構成でも紹介した「PREP法」に近く、シンプルで書きやすいため、セールスレター・メルマガ・ランディングページなど最後まで読んでもらいたい際に最適な構成です。
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読みやすい文章構成の作り方ポイント4つ
ここまで、文章構成の基本パターンとビジネスで使えるパターンを紹介しましたが、それだけではうまく作れない人もいるでしょう。
そこで、この章では文章構成の作り方について、大切なポイントを4つ説明します。
ポイント1.テーマやキーワードを決める
文章構成を作る際のコアとなるのが、テーマ・キーワードの設定です。
これらは文章にとって最重要な部分なので、しっかりと設定してください。
ここでは、文章の内容よりもテーマ(何をどう伝えるのか)を考えるといいでしょう。
ポイント2.ターゲットを設定する
次は、伝えるべきターゲットの設定です。「ペルソナ」と呼ばれることもあります。
内容にもよりますが、自分の体験をもとにする場合であれば、できなかった頃の自分をペルソナにしてもいいでしょう。
その他、イメージしやすい親友や会社の同僚をターゲットにすることもおすすめできます。
ターゲットが漠然になると、構成も冗長になりがちです。
性別・年齢・職業・家族構成などにいたるまで詳細に書き出してみてください。
ポイント3.文章の骨組みを考える
ターゲットを設定したら、文章の骨組みを考えます。
設定キーワードや文章の見出し(書く内容)ですね。
関心がある内容(悩みなど)を入れる必要があるので、まずは盛り込むべきキーワードを決め、それをもとに見出しを決めるといいでしょう。
ニーズを把握するためのツールはたくさんあるので、関連するキーワードを含めながら考えてみましょう。
下記の記事では、文章を作るのが苦手な方でも、作りやすくなるポイントをご紹介しています。
気になる方はぜひご参照ください。
ポイント4.骨組みの中身を文章にする
ここまで完成したら、骨組みの文章化に入ります。
書く時の基本は、PREP法です。
- 主張を提示
- 理由(根拠)を示す
- 具体例(実例)を示す
- 要点をまとめる
上記を意識すると、伝わりやすい文章を書けます。
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基本的な構成を知ることで文章力をアップしよう
いかがでしたでしょうか。
この記事では、文章構成の基本5パターンとビジネス(セールス文章)で使える構成5パターンについて紹介しました。
基本は、伝わりやすい文章を書くことにあります。ここで紹介した構成を参考にして、実際に簡単な文章を書きながら、それぞれの形についてマスターしていくといいでしょう。
ここで紹介したのは、あくまでも基本パターンです。これを基本として、読み手を意識しながら書くことを心がけてください。
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